window.dataLayer = window.dataLayer || []; function gtag(){dataLayer.push(arguments);} gtag('js', new Date()); gtag('config', 'G-3TZ8L2T72M'); 緊急時や地震発生時のエレべーターの動きって?(「戸開走行保護装置」及び「地震時管制運転装置」などの設置義務) | エレベーターラボ

緊急時や地震発生時の
エレべーターの動きって?
(「戸開走行保護装置」及び
「地震時管制運転装置」などの設置義務)

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この記事を読んで分かること

  • 緊急時のエレベーターの動き
  • エレベーターの安全性を高める各種装置について
  • 古いエレベータ―の安全装置の設置義務とは

人がはさまれたり、停電や地震が発生した時のエレベーターの動きを知っていますか?
この記事では、緊急時や地震発生時のエレベーターの動きについて解説していきましょう。

東日本大震災では257件の閉じ込め事故が発生

地震はある日突然、私たちを襲います。
大規模な地震が発生した時は、エレベーターの”閉じ込め事故”が発生する確率は高いです。
実際に、東日本大震災では全国で257件の閉じ込め事故が発生し、救助に長い時間を要しました。(日本エレベーター協会調べ)
また、首都直下型地震では都内で最大約2万2000台のエレベーターが閉じ込めに関わる停止状態になると言われています。
エレベーターが設置されているマンションやビルの管理者は、こうした地震発生時のエレベーターの動きについて知っておく必要があります。
地震発生時のエレベーターの動きを把握しておくことで、有事の時も落ち着いて冷静に対処できるでしょう。

地震発生時のエレベーターの動き

地震発生時、エレベーターはまず「地震時管制運転装置」が作動します。ここでは、地震が起きた時のエレベーターの一連の動きを見ていきましょう。

「地震時管制運転装置」

地震時管制運転装置とは、一定以上の揺れを感知したエレベーターが最寄りの階に停止しカゴ内にいる人が素早く降りられるようにするための装置です。
地震動には、初期微動であるP波と本震である主要動のS波があります。
一般的なエレベーターの場合、P波感知器は2.5Gal、S波感知器は80Gal(およそ震度4~5弱以上の揺れ)で地震時管制運転装置が作動するようになっています。
平成21年(2009年)9月に建築基準法が改正され、それ以降に製造するエレベーターに地震時管制運転装置の設置が義務化されました。(現在のものには追加設置の義務はありません)

「停電時自動着床装置(予備電源)」

また、地震時管制運転装置には停電時自動着床装置(予備電源)などを設ける事が定められています。
地震に関わらずとも、停電が発生するとエレベーターは動かなくなり、扉も開閉しなくなります。停電時自動着床装置は、停電発生時に乗車中の人の閉じ込めを防止する装置です。
エレベーターに停電時自動着床装置が付いていると、停電時にエレベーターは予備電源(バッテリー電源)に自動で切り替わります。そして自動的に最寄りの階まで運転をして扉を開けてくれるのです。(一定時間が経過すると自動で扉が閉まり運転を休止します。そして、復電状態になると平常運転に戻ります)

緊急時のエレベーターの動き

それ以外にも、緊急事態は発生します。次は緊急事態が発生した場合のエレベーターの安全装置について見ていきましょう

「戸開走行保護装置」

人が挟まれるなどの場合に作動する安全装置として戸開走行保護装置があります。戸開走行保護装置とは、エレベーターの扉が開いたまま走行していることを瞬時に検知し、緊急停止させる装置です。
平成21年(2009年)9月28日以降に 設置するエレベーターには「戸開走行保護装置」の設置が義務付けられています。
一方で、平成21年(2009年)9月28日以前に設置されたエレベーターには、戸開走行保護装置の追加での設置の義務はありません。
しかし、既設エレベーターの安全性確保のために、戸開走行保護装置の積極的な取り組みがなされています。

古いエレベーターには安全装置の設置義務がない?

先述の通り、戸開走行保護装置は平成21年(2009年)9月28日、地震時管制運転装置は平成21年(2009年)9月以前に設置されたエレベーターは改正前のため設置義務がありません。これを“既存不適格”といい「エレベーター設置当時は法令に合致していたが、その後の法改正により、法令に合致しなくなったエレベーター」のことを指します。
ただ、義務化されてないとは言え既設エレベーターの安全確保のために、国土交通省は安全装置の設置を推進しています。(但し、認申請が必要なリニューアル工事などをする場合は、現在の法令に合致させなければなりません。)
 
また、既設エレベーターについて行う、次に掲げる防災対策改修工事に伴う補助金限度額は令和4年(2022年)では最大950万円まで拡充しています。
※補助金は各自治体により条件や取組みが異なりますので事前の確認が必要です。
※補助金申請の書類には専門的な部分もあるので申請書類の作成に協力してくれるメンテナンス会社がほとんどです。
 
既設エレベーターについて行う、補助金対象の防災対策改修工事

  1. 地震時管制運転装置の設置(建築基準法施行令(以下「令」という。)第129条の10第3項第2号関係)
  2. 主要機器の耐震補強措置 (令第129条の4第3項第3号・第4号、令第129条の7第5号、令第129条の8第1項関係)
  3. 戸開走行保護装置の設置(令第129条の10第3項第1号関係)
  4. 釣合おもりの脱落防止措置(令第129条の4第3項第5号関係)
  5. 主要な支持部分の耐震化(令第129条の4第3項第6号関係)

参照(国土交通省)

既設エレベーターの地震装置に対する法律的な義務はなくとも、運休停止や閉じ込め防止のために対策を行う必要があるのです。

まとめ

ここまで、地震発生時のエレベーターの動きと法改正に伴う「戸開走行保護装置」及び「地震時管制運転装置」「停電時自動着床装置」の設置義務についてお伝えしてきました。

  • 「戸開走行保護装置」の義務化は平成21年(2009年)9月28日以降に設置されたエレベーター
  • 「地震時管制運転装置」「停電時自動着床装置」の義務化は平成21年(2009年)9月以降に設置されたエレベーター
  • 既設エレベーターの安全確保のために、国土交通省は安全装置の設置を推進している(自治体によっては補助金もある)

災害時、エレベーター利用者の安全を確保するためにも、今一度所有しているエレベーターの安全装置について確認しメンテナンス会社に相談しておきましょう。

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