ロープ式エレベーターが主流になりつつある現在では、油圧式エレベーターのリニューアルに関する相談も増えてきています。
この記事では、油圧式エレベーターのリニューアル工事について解説していきましょう。

かつて毎年、3万〜4万台の油圧式エレベーターが設置されていました。
しかし、2000年以降は油圧式エレベーターの設置率が激減し、現在では殆どのメーカーが製造を停止しています。
なぜ、こんなにも油圧エレベーターは減少していったのでしょうか？
油圧式エレベーターが激減した理由は、2つあります。
1つ目は、機械室なし（マシンルームレス）のエレベーターの登場です。
1998年に東芝が、機械室のないロープ式エレベーター「スペーセル」を販売しました。
これまでのロープ式エレベーターは、機械室（マシンルーム）のあるものが主流で、建物にその分のスペースが必要でした。
しかし、スペーセルの登場で瞬く間に機械室のない（マシンルームレス）エレベーターが普及し、油圧式エレベーターはその数を減らしていきました。
2つ目は、油圧式エレベーターの「2020年問題」です。
2020年問題とは2020年以降、各メーカーが油圧式エレベーターの部品供給停止を発表している問題です。
各メーカーは、以下の時期に油圧式エレベーターの部品供給停止を発表しています。
 
＜エレベーターメーカー別1990年代製の部品供給停止時期＞
2020年停止：日立ビルシステム・フジテック
2023年停止：三菱電機
2024年停止：東芝エレベーター
 
このように、部品が供給停止になればメンテナンスしたくても「できない」といった事態に陥ってしまいます。
そのため、油圧式エレベーターのリニューアルを早急に検討している人が増えているのです。
では、実際に油圧式エレベーターをリニューアルする際に、どのメンテナンス会社に依頼すれば良いのでしょうか？

メーカー系のメンテナンス会社に、油圧式エレベーターのリニューアルを依頼すると殆どの場合、ロープ式エレベーターへの切り替えを提案されます。
つまりメーカー系は、油圧式のエレベーターのリニューアル工事は受け付けていないのです。
しかし、油圧式からロープ式エレベーターにリニューアルをすると、1基あたり1,500万円以上の高額なコストがかかります。
一方で油圧式エレベーターのリニューアルを、同じ油圧式のままリニューアルすることでコストが大幅に抑えられます。

油圧式エレベーターのリニューアルでお困りの際には、独立系のメンテナンス会社に依頼するのがおすすめです。
独立系メンテナンス会社は、さまざまなメーカーの油圧式エレベーター改修工事に対応しています。
また、部品供給においても独自に部品メーカーから直接仕入れしている場合や部品をストックしているケースが多く、部品の供給も安定しています。
費用も、メーカー系と比較して安くリニューアルすることができるでしょう。（ロープ式と同様にリニューアル後には25年程度は使用できます）

ここまで、油圧式エレベーターのリニューアル工事について解説してきました。

独立系のメンテナンス会社は、さまざまな油圧式エレベーターのリニューアル工事を手がけています。
ぜひ、独立系のメンテナンス会社にご相談だけでもすることをおすすめします。