エレベーターを長年使用・管理していると、リニューアルや改修工事といったワードをよく耳にするようになりますよね。
この記事では、エレベーターのリニューアルを検討している人に向けて、費用や種類について解説していきましょう。

エレベーターは、どんなに適切にメンテナンスしていても永久に使い続けることはできません。
エレベーターの耐用年数は一般的に、適切な保守点検を行っていれば20年〜25年だと言われています。
耐用年数に近いエレベーターの管理者は、メンテナンス会社からリニューアルや改修工事を提案されることもあるでしょう。
その際に「修理」「改修工事」「リニューアル」といった言葉を聞きます。
しかし、それぞれどんな施工が行われるのかは、メンテナンス会社によって異なります。
ただ、一般的には老朽化や故障した部品のみを新しく交換することを「修理」と言い、老朽化や故障していない部分も含めて修理・交換することを「リニューアル」や「改修工事」といいます。

エレベーターは、どんなに古くても「正常に動いていればリニューアルの必要はない」と考える所有者（管理者）も多いでしょう。
しかし、エレベーターの経年劣化による性能の低下で、思わぬ事故が起きてしまう可能性もあります。
また、エレベーターの安全基準は、建築基準法の法改正により定期的に見直されています。
リニューアルを行うことで、安全性や適合性が高まりエレベーター自体の資産価値も上がるのです。

エレベーターの改修工事には、大きく分けて以下の3種類があります。

ここでは、それぞれの工事内容について解説していきましょう。

全撤去リニューアルは、フルリニューアルとも呼ばれエレベーターに関する全ての部品を撤去し交換します。
工事期間中はエレベーターの利用はできなくなりますが、何よりも全ての部品が新しくなるのでエレベーターの大幅な性能アップ、乗り心地の向上が大きなメリットです。

準撤去リニューアルは、既存の乗り場出入口の枠（三方枠）や敷居などは、そのまま再利用する工法です。
全撤去リニューアルよりリーズナブルな費用でかつ工期も短いため、コストも削減できます。
ただ、リニューアルするエレベーターの種類によっては、部品の調達に時間がかかる場合があります。

制御リニューアルは、時間や手間など最もコストのかからないリニューアル方法です。
三方枠・敷居やカゴはそのまま残し、制御系のパーツのみを交換・改良していきます。
制御系のパーツには、巻上機や制御盤・ドアモーターなどが含まれます。
制御リニューアルは、既存のエレベーターの状態を考慮しながら行えるのがメリットです。
しかし、全撤去リニューアルのように全ての部品は交換しないため、改めてリニューアル計画を策定する必要があるでしょう。
実際のリニューアルではこの「制御リニューアル」が一番多く選択され取り入れられています。

ここまで、エレベーターのリニューアル・改修工事について解説してきました。リニューアル（制御系部品交換含む）を行うと、エレベーターの使用期間を新たにして利用出来るようになりますし、安心できますね。
定期的なメンテナンスをしていても、エレベーターをリニューアルするタイミングは必ず訪れます。
その時に、慌てないためにも基礎知識として、この記事を参考にしていただければ幸いです。