エレべーターの
リニューアル・改修工事の
具体的な内容ってなに?

  • リニューアル工事
  • 工事
  • 種類・形式
  • 比較

この記事を読んで分かること

  • エレベーターのリニューアルや改修工事の種類別の内容
  • それぞれの工事のメリットとデメリット
  • 意匠リニューアルについて

エレべーターのリニューアル・改修工事は、実際どんな工事内容なのか気になりますよね。
エレベーターの管理者として、工事内容を把握しておくことは大切です。
この記事では、種類別に具体的なエレベーターの工事内容を解説していきましょう。

【種類別】エレベーターのリニューアル・改修工事内容

エレべーターのリニューアル・改修工事は、種類により工事内容が異なります。
エレベーターのリニューアルの方法は、以下の3つです。

  • フルリニューアル(全撤去)の工事
  • 準撤去リニューアルの工事
  • 制御リニューアルの工事

ここでは、各リニューアル・改修工事の具体的な内容をみていきましょう。

フルリニューアル(全撤去)の工事内容

フルリニューアル(全撤去)は、エレベーターに関する全ての部品・機器を撤去し、新しくする工事です。
フルリニューアルのメリットは、全ての機器を一新(最新の機能搭載し既存不適格の事項を全てなくします)するため、その後の改修工事や費用を削減できる他、安全性や乗り心地が向上します。
 
また、既存のメーカーから他社メーカーへの切り替えもできるので、選択肢が増えるでしょう。(例:東芝 → 日立)
但し、デメリットとしては費用が高額となり、工期も最も長いので利用者が長期間、エレベーターを利用できなくなります。
また、昇降路はそのまま再利用するので、従来の積載荷重や定員を確保できない場合があるでしょう。
フルリニューアル(全撤去)は、改修工事の前に建築確認申請の届出が必要です。

準撤去リニューアルの工事内容

準撤去リニューアルは、エレベーターの一部を残し、新規エレベーターを設置します。
コンクリート埋設部分等の機器は残し、それ以外の部分を交換します。
準撤去リニューアルで、改修する部分は以下の通りです。

  • 押しボタン(操作盤)
  • ドア
  • 制御盤
  • メインロープ
  • 巻上機
  • カゴ
  • 電気、機械及び複合系部品の交換

上記の他にも、工事業者やエレベーターの状況によっては交換が必要な部分も出てくるでしょう。
準撤去リニューアルのメリットは、既存品を再利用して行うためフルリニューアルよりも費用が6割程度安くなります。
また、工事の騒音や振動、工期もフルリニューアルよりも少ないです。
準撤去リニューアルの場合、確認申請は各特定行政庁により判断が異なりますが、申請を求められるケースが殆どです。

制御リニューアルの工事内容

制御リニューアルは、乗場や配線など、経年劣化が進んだ部品を中心に交換する工事内容になります。
制御リニューアルで、改修する部分は以下の通りです。

  • 押しボタン(操作盤)
  • 制御盤
  • メインロープ
  • 巻上機
  • 電気、機械及び複合系部品の交換

制御リニューアルのメリットは、殆ど騒音が出ないことに加え工期も短いため、利用者の理解も得やすいでしょう。
また、費用面で最も安く、工期も最短でリニューアルできます。
但し、デメリットとしては部分的にしか改修工事を行わないため、交換しなかった部品に関しては改めて工事が必要になるでしょう。(既存不適格の事項が消せないままにもなります)
制御リニューアルの確認申請は、ほとんどの場合求められることはありませんが、念の為所轄する役所の担当課への確認は必須です。
 
なお、ここまでご紹介した3つのリニューアルの中で、世間で一番数多く行われている工事は「制御リニューアル」です。メリット部分で選択する方が多いと考えられます。

意匠リニューアルの工事内容

意匠リニューアルは必須工事(性能維持)ではなく、任意の追加工事(美観改善)です。このリニューアルは、エレベーター内の照明や壁紙を最新の物に交換し美的イメージを刷新できることから近年ではリニューアルと併せてよく行われている工事になります。
 
意匠リニューアルで、主に行われる改修部分は以下の通りです。

  • カゴ内壁紙の交換
  • LEDへの切り替え
  • ドア化粧シートの交換
  • フロアマット、タイルの交換
  • 操作盤
  • 非接触式(タッチレス)への切り替え

意匠リニューアルは管理者(所有者)が自由に選択できる工事です。実施の可否も含め全てやる必要はありません。予算などと検討しながら老朽化した部分のみ進めるのがよいかと思います。

まとめ

ここまで、エレべーターのリニューアル・改修工事の具体的な内容をお伝えしてきました。
エレベーターのリニューアルは、それぞれの工事内容でメリット・デメリットが異なります。
管理・所有するエレベーターの状況に応じて、リニューアル・改修工事の方法を策定・計画してみましょう。

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